働き方の多様化にともなって、フリーランスで働く人が増えている。その数は国内で推計1100万人余りとも言われる。一方で、フリーランスや経営者の多くは、雇用関係がなく雇用保険に加入できないため育児休業制度がない。また、国民健康保険への加入であれば、産前産後の休業制度も手当金も社会保険料の免除もなく、母体保護の観点からも全く守られていない。
産休もろくになく、すぐに働かなくてはならないのに、預け先を探すのに苦労する。会社員同様かそれ以上の収入や労働時間でも、フリーランスや経営者だと認可保育園の申請ポイントが低い自治体もある。また、昨年施行されたマタハラ防止からも雇用関係にないため、守られていない。妊娠を告げた途端に取引先から仕事の契約が切られたとしても、泣き寝入りせざるを得ない。
「少子化」や「働き方の多様化」が議論されるなら、今までマイノリティと黙殺されてきたこのような人たちにも目を向けて欲しい。時間の融通が利くフリーランスが、妊娠・出産後も働き続けられるインフラが整わなくては、「働き方の多様化」が進むはずがない。
今回は、非正規とフリーランスをかけ持つ女性に話を聞いた。彼女は非正規社員としてはマタハラに遭い、フリーランスとしても妊娠を告げた途端、仕事が激減したという経験を持つ。