〈私は妻と一緒に園長先生に頭を下げに行きました。「子どもができてすみません」〉
2月28日の毎日新聞に名古屋市在住の28才男性のこんな投書が掲載された。
男性の妻が保育士を務める保育園では、結婚の時期と妊娠の順番を園長が決めていて、「掟」を破って予定外の妊娠をしたため、男性と妻は園長に謝罪したのだという。
しかし、その後も園長は「どうして勝手にルールを破るのよ」と嫌みを言い続け、妻は職場で肩身の狭い思いをしている。そう明かした男性は、最後にこうつぶやく。
〈子どもを育てる職業がこんな環境であるこの国は子育て後進国です〉
投書を読んだ世の女性からは園長に対する批判の声が相次いだ。
「せっかく授かった命なのにあまりにかわいそうです」(神奈川県・48才会社員)
「謝る必要はない。こんなふうだから少子化が進んじゃうんですよね」(静岡県・54才主婦)
一方で、この投書を目にして、「もしかして…」と新聞をめくる手を止めたのは、都内に住む会社員の松山愛子さん(仮名・20代)だ。
松山さんは5年前まで名古屋市内の認可保育園で保育士として勤務していた。松山さんが語る。